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「女はなぜ愚かなのか」―ルミネCMの事件をうけて考える―

ルミネCMの件とは、ルミネが非常に問題のあるCM動画をYouTubeにアップロードした問題である。しかし、このCMそのものについては多くのブログで取り上げられているため解説しない。女性差別という視点(「寝てそれ?」というセクシャルハラスメント、「巻いただけですって〜」という、女の口調への見下し、「大丈夫だよ」という他人の心理状況に対する根拠のない決めつけ、「需要が違う」という純然たるセクシャルハラスメント、ご丁寧に「「単なる仕事仲間」という意味であり「職場の華」ではない」とセクシャルハラスメントであることを辞書風に文字を入れて解説)もあるが、


この視点がとても良いと思うので引用する。前座がセクハラだろうがなんだろうが、最後の「変わらなきゃ」というメッセージがないのなら肯定されないわけで、これによって(性以前に)自分でない他人からの圧力で人格を捻じ曲げるという暴力が肯定されてしまっている。

このようなCMはなぜ作られたのだろうか。それは、女が愚かだからである。本題に入っていこう。

このCMはあくまでYouTube上での公開動画であり、まだテレビで流されたものではない(ようだ)。それでも、ルミネという会社は大きなショッピングセンターをいくつも持つ有名企業であり、適当に、雑に作られたものではないだろう。もちろん、単なるセクハラとして作られたものでもない。動画説明文には「ルミネが働く女性たちを応援するスペシャルムービー」とあった。このCMは、女にルミネを利用させるために考えられて作られたものなのだ。

このCMでは「職場の華」という不適切表現が出てくる。これは、その職場において女は職務能力を求められているのではなく、性欲処理能力を求められているのだと言っているに等しい。これがなぜ、女にルミネを利用させるために作られたCMで出てくるのだろうか???おかしいと思うだろう。しかし、おかしくないのだ。

ここで、私のような男がいたらわかってくれるとは思うが、少し話を聞いてほしい。小学生の頃、周りの男はただ暴力的で、ギャーギャー騒ぐガキばかりだった。しかし女には、冷静で頭の良い人もいくらかはいた。それが中学生以降になると、女は一人残らず醜くなっていく。汚い声を出すようになり、小学生のガキ以上にガキといった、無能で短絡的で浅はかな人が大勢を占めるようになる。それを見ながら、私は女が嫌いになった。女というのはなぜこんなに愚かなのだろう、と。

こうやって私の中での女性蔑視思想は育まれたのだが、5年ほど前あたりから、私はこの考えを捨てた。「女は愚かではない」と気づくことができた。その理由は3つある。
1つは、人は単に人であるということ。男が皆優秀かといったらもちろんそんなことはないし、女だって優秀な人はいくらでもいる。単に素晴らしい人と愚かな人がいるだけで、「女は愚か」だと決めつけると、それは素晴らしい女の人を見過ごしてしまうことになる。素晴らしい人というのがどれほど貴重な存在か、皆さんならわかってくれるだろう。くだらない思い込みは損だと思った。
1つは、そもそも愚かだというのは私個人の勝手な視点によるもので、傲慢であるということ。もちろん「私が愚かだと認識しているにすぎない」という部分もあるけれど、それ以上に自分の傲慢さが嫌になったのだ。

最後の理由は、「女を愚かにしているのは、他ならぬ男達である」ということ。これが大きかった。多くの女性が性的暴行の被害に遭っていることは皆さんもご存知だとは思うが、女はとにかく「男目線」に晒される日常を送ることを余儀なくされる。男が「女目線」に晒されることはあまりない。なぜなら、「女性活用」という言葉(この言葉も汚いが)がわざわざ叫ばれるほど、社会は男性で満ちているのである。男性がナチュラルスタンダードで、女性は「人ではない」とされる、それが「社会」なのだ。こういった環境で女が生き残るには、男に気に入られるしかない。曽野綾子は、極めて男性的な(暴力的な)主張を重ねることで、女性であるにもかかわらず保守の大御所という地位を手に入れることができた。同様に、あらゆる女は男目線に晒され、男に気に入られるよう日々「暴行」をうけ、人格を破壊されていくのだ。そうして出来上がったのが、常に男目線を気にし、媚びへつらい、髪を巻き職場の華である「女」である。もちろん、そうした「女の能力」(男でいう、仕事の業務遂行能力にあたるとされるもの)があまり足りていない人や、そもそもそういった性暴力に耐えられない女も存在するだろう。

ルミネのCMは、こうして人格を破壊されている女に対して「お前は女だろ?男に気に入られるよう、「女の能力」をつけろよ。そのためにルミネに行けよ」と言っているのだ。ルミネは単に、(ルミネでの買い物が不十分な)消費者層に向けて「ルミネで買い物してくれよ」というメッセージを出しているに過ぎない。「男の能力」で日々を生き抜いている女に対して、男の圧力で「女の能力」を強要され、受け入れさせられる。ルミネはこうした国家的性暴力の大きな流れに乗って「女の能力」を求めさせられる人々を手助けしゼニを稼ぐ、小悪党にすぎないのだ。