「どうぶつの森 ポケットキャンプ」は何故おもしろいのか

任天堂のビッグタイトルの一つである『どうぶつの森』からスマートフォンアプリ版がリリースされました。

 

どうぶつの森 ポケットキャンプ | 任天堂

 

基本無料で、チケットという形で課金要素がありますが、チケットはミッション(?)をこなすことで時々貰えるという形式です。昨今のガチャだルートボックスだ天井だといった要素とは無縁なゲームです(さすがに現時点では緩すぎるので、これからもっとチケットの大量に必要な追加キャラ等があるものだと考えられます)。

 

私的にはかなりうまいこと作ってあるなと思っていたのですが、そもそも無料であるということを完全に忘れているのか、このゲームをつまらないなどという輩が大量発生しています。一例がこちら。

 

「どうぶつの森 ポケットキャンプ」は何故つまらないのか - あおみかんのブログ

 

基本的にバカはスルーするに限るのですが、バカが大量発生して偽物の事実を作り上げることには抵抗があるので、反論しておこうと思います。

 

 

1.『ポケットキャンプ』は基本無料ゲームである

『ポケットキャンプ』は任天堂のリリースした基本無料ゲームであり、この場合、ゲームのあり方として何通りかが存在します。

①ガチャ盛り沢山、ファン心理につけこんで金を搾り取る(例:ファイアーエムブレムヒーローズ

②シリーズ作品の存在を認知(再認識)してもらい、コンシューマ版の販売拡大につなげる

③ゲームとして単純に面白いものを作って買ってもらう(例:スーパーマリオラン

 

『ポケットキャンプ』は明らかに②ですよね。また、シリーズ要素として家具を配置したり、服を着替えたりというものがある点では③も含まれています(無料で③が含まれているのですから、かなりサービス精神旺盛なゲームだと思います)。よって、ゲームキューブ版やDS版に比べてここが足りない、などと文句を言うのは間違っているどころか、むしろこのゲームに価値があると言っているようなものなのです。無料でコンシューマ版と同じことができたら、コンシューマ版が売れなくなりますよね。同じことができないことが正しいのです。

 

2.スマートフォンで手軽にやるために最適化されている

どうぶつの森』シリーズをやったことのある人なら、巨大な魚影に逃げられたり、貴重な虫を疑惑の判定で取り逃がしたりといった経験があると思います。スマートフォンどうぶつの森ができるとして、同じシステムを導入されたら壮絶なイライラゲームになります。指先でちょいちょいと押していって、近づきすぎて逃げられて……間違いなくクソゲーになります。そこで本作ではその部分を単純化し、苦労なく魚や虫を集められるようになりました。原作ではウキをそのまま魚にぶつけてしまうと逃げられたりするのですが、今作では適当に投げても向こうから寄ってきてくれます。虫の捕獲も距離感に悩むことがなくなり簡単です。しかし、そのシステムになってしまうと、珍しい魚や虫を捕まえた感動も薄れてしまうのでは……そこで、そもそも魚や虫の種類は大幅に少なくなり、売価も単純化され、それらは住民に渡して利益を得るためのアイテムとなったのです(一部高額な魚虫はいるが、ほとんどが売価10ベルで統一)。つまり「魚や虫を捕まえる」という要素はスマートフォンでできるけれど、それ以上の感動体験「貴重な魚虫を捕まえる」「コレクションする」「思わぬ売価の高さに喜ぶ」等はちゃんとコンシューマ版を買ってやってね、ということなのです。逆に、これらの要素はスマートフォンで手軽にやる場合、煩雑さを増してしまう部分もあるのです(巨大な魚の出る時間帯をメモしておくとか、アイテムが一杯になりそうでどれを捨てるか迷うとか、手軽さからは遠ざかってしまう)。

個人的には、単純な構成になっているからこそ、エリアはもう少し増やしてほしいと思っていますが(採取場が現在4つですが、6つくらいあってもいいのでは)、思考量を増やしてしまうことが逆にゲームへのストレスを高める可能性もあるため、難しいなと思います。

どうぶつに話しかけるのもタッチするだけだし、どうぶつの要望から直接クラフトできるし、アイテム一杯になったらそのまま売れるし、インターフェース周りは相当優秀な印象です。どうぶつとのやり取りには若干奇妙なものがあると思っていますが(感謝されすぎ、プレイヤーが簡単に儲かりすぎ)、どうぶつ達との(毒気もある)濃密なやり取りはコンシューマ版に譲ったということなのでしょう。

 

3.どうぶつの森の基本はしっかり抑えている

キャンプ場とキャンピングカーに自由に家具を設置していけます。キャンピングカーはお金を使って増築できます。これが無料でできるんです。理想のキャンピングカーにしたいですね。ちなみに「家具ごとの固有リアクションが豊富」「タンスにアイテムをしまえる」等の要素はコンシューマ版でお楽しみください。アプリがあるからゲーム版は要らない、などといったことにはならないようにできています。家でなくキャンプ、キャンピングカーなのもいいですね。キャンピングカーを運転するわけでもないのですが、劣化版という印象は薄まっています。

 

さて、ここまで「「どうぶつの森 ポケットキャンプ」は何故おもしろいのか」について語ってきましたが、このゲームにクソ要素があるのも事実です。

・釣った時とか、周りの住民が拍手してくれることも拍手してくれないこともある

あれ好きなので安定させてほしいです。

・バザーに服等を出せない、値段設定が味気ない

ここを自由にしたらコンシューマ版に影響するからということなのでしょうけれど、それでも少し不満です。

・「ホッホーッ ホッホー」がない

 これをもってコンシューマ版と分けている気もします。家具は配置できるし住民と会話もできるけれど「ホッホーッ ホッホー」は渡さないよ、「ホッホーッ ホッホー」が聞きたかったら製品版をやってね、という。そういうことなのかもしれません。

・あさみに話しかけられない

このゲームは良くできていると思いますが、この部分をもってクソゲーと言う人がいるなら私はそれを支持します。

 

どうぶつの森 ポケットキャンプ』は、やっぱりどうぶつの森はいいなあと思えるゲームでした。適当な作りではなく、しっかりスマートフォンに合わせていて好感が持てました。