大変微妙だった『マイ・エレメント』を良作に変える『マイ・エレメント2』の脚本を考えてみた

以下『マイ・エレメント』のストーリー後からの話になるのでもちろんネタバレ注意です。


ガラス会社にインターンとして就職したエンバーだったが、上司からのパワハラに悩まされる。「その程度、火のエレメントなら赤ちゃんでもできるんだが」「自分の能力を過信していないか?世間知らずめ」「お前を雇ったのは間違いだった」ガラス作りの仕事が上手く行かなくなり、周りからも陰口が囁かれる。「無能な田舎者の小娘を雇う余裕があるのかしら?」「枕営業でもしたんじゃないの」憔悴したエンバーはウェイドに泣きつくが、「誰だって最初は厳しい目で見られるんだから仕方ないよ」「もう少し頑張ってみたら」と相手してもらえない。ついにエンバーは仕事中に倒れてしまう。

気づくとエンバーは病室のベッドの上にいた。廊下から上司と主治医の会話が聞こえてくる。「本人には優しく指導していたんですが、このところ仕事もサボるようになり、代わりに外で遊び歩いているようで、そのせいか睡眠が足りていない様子でした」「たしかに睡眠不足の兆候が見られますね」「上司に報告して、精神衰弱により従前の業務は困難。退院後は地下で運ばれる土に土を乗せ、掘った穴に土を埋める作業をさせることにします」驚いたエンバーは病室から抜け出し、エレメント・シティに帰ってくる。

エレメント・シティでは両親が相変わらず商店ファイアプレイスを営んでいたが、数カ月に1回は汚水が流れ込んでくる状態は変わっておらず、火の街の人々はその処理に苦しめられながら過ごしていた。帰ってきたエンバーを見た両親はそのやつれ具合に驚くが、娘が生きて帰ってきてくれたことに喜び、手厚く看病して回復させる。エンバーは再び商店の店主として働き始めることになるが、街の人々から例の汚水が流れ込んでくる状況が変わっていないことを聞かされ、このままではどれだけ商売繁盛させてもまた水に流されてしまうと激怒。エレメント・シティ行政府に直談判をしに行くが、相手してもらえない。そうこうしているうちにまた火の街に汚水が流れ込み、商店の商品は全部ダメになってしまう。

何もかも上手く行かず、瓦礫の山の上で肩を落としているエンバーに話しかけてきたのはクロッドとゲイル。クロッドとゲイルはそれぞれ土の街と風の街の住民であり、洪水の被害を受けることもないのだが、大好きなファイアプレイスとエンバーが苦しんでいるのは見ていられないと協力を申し出る。2人の協力もあり火の街、土の街、風の街の住民が大勢集まって、エレメント・シティをみんなが住みやすい街にするよう行政府に押しかけに行く。水のエレメント市長は「そうは言っても実際大変なのは火のエレメントの人達だけですし、後から来た人なので少し我慢してもらえたら……」と言ってしまい、ついに乱闘が始まってしまう。

このままではエレメント・シティが崩壊してしまうといった状況の中、みんなの前に突然現れたのはウェイド。ウェイドはエンバーに自分の無知・無関心を詫びると、ガラス会社でエンバーが受けたひどい仕打ちを長々と語る。水のエレメント市長は大泣き。市長だけでなく行政府職員、市民みんなが大泣きし、騒動は終結。エレメント・シティを水のエレメントのための街ではなくみんなのための街にするよう、大改造が始まる。流れ込む水は4エレメント共同の浄水場に入っていくよう整備され、土のエレメントが濾過、火のエレメントが煮沸を担当し、水のエレメントと風のエレメントが各所に運んで行って運搬や景観のために使われることになった。移動手段の列車も火のエレメントが車体を、土のエレメントがレールを、水のエレメントが浮力を、風のエレメントが推進力を担当することで人を傷つけない、誰もが利用しやすい交通機関へと進化を遂げることになった。そしてファイアプレイスでは、エンバーが4エレメントの力を合わせた素晴らしいガラス細工を作り出し、これがエレメント・シティ中で大人気に。エンバーの父親はファイアプレイスの店先で水のエレメント、風のエレメント、土のエレメントの老人と集まって談笑しながら、娘の活躍に目を細めるのであった。


以上です。ディズニーさん、この脚本を使うなら(タダだと訴訟沙汰になるのが怖いでしょうから)1ドルで売るので、その際は連絡してくださいね。