読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

映画感想「ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜」

客層:ニコニコブスビッチが二組、気持ち悪い男が二人、気持ち悪い私
ニコニコブスビッチは内容を知っているらしく隣のビッチに解説している。私は上映を待っている。ニコニコブスビッチという単語はアメリゴベスプッチに似てて面白いなと思った。このへんで予告編が始まって、以後は見終わった後に書いた文章になっている。


なぜこんな映画を見に来たのか、言い訳をしておこう。ツイッターにななみねというアルファツイッタラーがいて、彼が何回もこの映画を見て面白い面白いと言っているのだ。アホかと思った。タイトルを見てみろ。「ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜」こんなアホなタイトルの映画が面白いわけがないだろう。公式サイトを見るといかにもスイーツ(笑)なイケメンとちゃお女子が並んでいる。おまけに原作者がニコニコバカ野郎ときた。死んでも見るものか。
しかし、運が悪いことに、私の財布には1000円で見られる割引チケットが入っていたのだ。話は遡って約1年前、私はある映画を見るためにとあるシネマグループの会員になった。その映画は面白かったし、たしかあと割引券で1回見れば元がとれるくらいだったので、その時は満足していた。その後、元を取ろうと時々上映スケジュールをチェックするのだが、その映画館で扱われる映画はアイドル物、ニコニコ物ばかりで全く見る気にならない。毎週チェックしていれば以前見たような良い映画をやった瞬間もあったのだろうが。そうして、割引券の有効期限が迫ってきていた。他に見る理由のある映画はない。僕はため息をつきながら、ニコニコブスビッチとともに劇場のシートについたのであった。


結論から言うと、この映画は面白い。


面白くないか面白いかで言ったら面白いというくらいで、必見だとか映画史に残るというものでは全くない。極めてスタンダードな映画だけれど、戦前予想されていたようなスクリーンの前から逃げ出したくなる映画ではない。


以下ネタバレを含みます。


「ずっと前から好きでした」とは、冒頭の団子ビッチの告白セリフであり、いきなり言ってしまうのだが、直後に恥ずかしがってそれを冗談、予行演習ということにしてしまう。そうして、なんだか深夜アニメのオープニングのような映像、主題歌から始まるのだが、深夜アニメとは違い1時間程度で終わる作品のため、延々と寒いやり取りを繰り返されないところが反ラブコメ派としては助かっている。
団子ビッチ、アカリ、合田美桜(名前がわからなかったのでWikipediaを見ました)の3人は仲が良くて、団子の恋愛を2人は応援しつつ、2人もそれぞれに恋していたり、恋していなかったりする。ちなみにこの3人で男を取り合ったりはしない。


面倒なので結論から書くと、このアニメの作者は童貞なのかなと思う。望月くんという俺みたいなイケメンがいるのだが(ちなみにこのアニメに出る女は全員外見美少女であるし、男は全員外見イケメンなのだが、普段美少女動物園でブヒブヒ言っている者としてはここを批判できないため気にしないことにする)、彼の恋愛観が童貞すぎる。そして恋愛がうまくいってしまう。望月くんの急な告白(何しろ会話したことがそもそもほとんどないのだ!いきなり告白っておかしいだろ!これぞ童貞の妄想!)が成功し、めでたく仲良くなるのだ。普通はいきなり告白すると気持ち悪がられ嫌われるだけなので、皆さんは注意した方がいい。しかし、望月くんの告白に対してアカリが付き合うと返さず、(イケメンなので)拒否もせず、あくまでケーキ食べに行こうという形でキープを選択しているあたり、アカリはなかなかのやり手、ビッチであり、今までもそうやって何人も男をたぶらかしてきたのであろう。望月くんに同情する。


一方の団子ビッチはひどいもので、冒頭の告白相手ではない別の男、灰色男に誘われ、ハニーワークスの(これはハニーワークスの宣伝アニメなので劇中にハニーワークスが出てくるのだ。女ボーカルに男バンドがついている、まあ平たく言うと内部でヤッてそうなバンドという感じの奴らである)ライブに一緒に行ってしまう。自分のライブを不倫に使われるハニーワークスは、これでいいのか?イメージ悪くならないか?一応そのライブ中の歌詞で団子ビッチが過ちに気づくという演出があるのでいいのか。そうしてライブの帰り道、灰色男が団子ビッチを抱きしめる。そこに告白相手のイケメンが現れてシュラバラバンバ、修羅場になるのだ。イケメンは灰色男が公道で女を抱きしめたことに対し「TPOがなってない」とか言い出すけど、周りに全然人いないぞ?チャリで横を通るオバサンくらい出してもよかったと思うが、むしろTPO的にも何も問題ないのにもかかわらず、必死になって女を引き剥がすイケメンを強調したセリフなのかなと思う。最終的にはイケメンと団子ビッチが結ばれ、灰色男は涙を流す。ここで男ならこの灰色男にまともな恋の始まりでも予感させてやれよと思うのだが、そのまま悲劇として終わらせるあたり、いわゆる女向けアニメだなと思う。灰色髪のイケメン悲恋者、幼なじみパワーの前に運命的に敗れ去る。まさにドストライクでそこらへんの女はキュンキュンだろう。


このアニメの良かったところは、美男子美少女なんてそもそも恋愛に苦労しないだろリア充どもめ!という点を除き、他に違和感を生じさせる展開がなかったところだ。かなり強調された演出では、団子ビッチは灰色男とのライブに他所ゆきの服を着て行くのだが、イケメンと一緒に歩いたり最後イケメンに告白するところでは下にジャージを着ている。普段顔アップが多いこのアニメにあって、ジャージを履いている足元をはっきりと映すシーンがある。これは「そのままのキミを幼なじみに受け入れてもらう」という意味だろう。一箇所でもこういうところがあるだけでかなりまともに作品として見られる。男が車道側を歩いているのも注目に値する。世の中のニコニコ中高生どもはこの映画を見て学ぶといいだろう。童貞丸出しな望月くんの恋愛観を除いて。あと、地味に気に食わなかったのが箸の使い方で、食物を挟んだ後に箸を上に向けて食べている。これから見る人は弁当のシーンでアカリの箸の使い方を見ていてほしい。もちろん作画、アニメとしての都合なのだろうが、品がないなと思った。


さて問題は、この映画が女にウケるのか?というところ。団子ビッチを愚かに描いているし、妙にベタベタするシーンもエンディング後の30秒くらいだし、男同士が異常に顔を近づけたり、男が女の耳に息を吹きかけたりするシーンもないし。(ちなみに頭ポンポンはあります。実は隠していたのだけれど、大好きな映画ズートピアで唯一不満なのは頭ポンポンがあるところです。ここでこっそり不満をぶちまけておきます。)こんなので一般的な女が面白がるのなら、いわゆる女向けコンテンツというのはそこまで女だけの方を向いて作られなくても良いのではないか?と感じた。スクリーンのキャラクターが笑ってて観客が白けるような、変にスベったシーンがない、それが良かった。ものすごく良いアニメかというとそんなことは全くないけど……でも悪くなかったよ。正確に覚えていないから書かなかったけれど、セリフ回しも工夫されているしね。イケメン教師がガンダルフだった。灰色男がかわいそうだなと思った。