こちらをリスペクトして私も振り返ろうと思う。参照元同様に、2010年代を振り返るために「純粋なベスト10とはやや趣が異なる」形で選出し、振り返っていく。
テレビアニメ編
- ひだまりスケッチ×☆☆☆(2010)
- けいおん!!(2010)
- 魔法少女まどか☆マギカ(2011)
- TARI TARI(2012)
- 幸腹グラフィティ(2015)
- 響け! ユーフォニアム(2015)
- サクラクエスト(2017)
- プリンセス・プリンシパル(2017)
- ゆるキャン△(2018)
- 放課後さいころ倶楽部(2019)
私の2010年は2009年と密接に接続している。多くの人は「2010年代」などと言うが、このような分類には全く意味はなく、それぞれの人生は区切りなんてなく、あるいは人によっての区切りが西暦とは全く別に存在するものである。ひだまりスケッチ×☆☆☆やけいおん!!は前作の盛り上がりを受けながらリアルタイムで鑑賞したアニメとして取り上げたが、リアルタイムでアニメを鑑賞する流れは前年から存在し、殊更に強調するものでもない。ただひだまりスケッチは強烈なアニメ批判派が存在し、またけいおんはたいして面白くもないのに異常な持ち上げられぶりを見せていたこともあって、世間で言うアニメとは私の中でのアニメとは異なるものだなというのが感想としてある。結果的にはこの感想は正しかった。
魔法少女まどか☆マギカはネット上で様々なやり取りが生じ、そういった部分で思い出深いアニメである。ただそれはやり取りが面白いのであって、アニメの面白さとはまた違うものと今ならわかる。当時、僕は虚淵のエロゲ経歴には目を瞑り、エロゲとは切り離してこのアニメは面白いと思っていたのだが(実際、後に虚淵は『楽園追放』という大駄作を世に放ち醜態を晒した)たぶん厳密にはそうではなく、エロゲもエロゲ自体ではなくそれを使って色々こねくり回すやり取りが楽しいという意味で親戚だったのだろう。それでも一時期、佐倉杏子は僕のアイコンであったことは認めなければならない。
TARI TARIは僕が純粋に評価するアニメであり、奇をてらうことのない設定、描写とバランスの良さは現在でも特筆すべきものだと思う。今日私のアニメ観が世間と接続していられるのもTARI TARIによるところが大きい。幸腹グラフィティは前々から好きであった素晴らしい原作漫画のアニメ化という私の中で大きな出来事であり、素晴らしい声優陣の出来、そこそこの作画ではあったものの脚本家岡田麿里によるいわゆる誰得シリアスが挿入されたことにより原作の魅力は損なわれてしまい、現在まで続く私と岡田麿里との因縁をより深め決定づける一作となった。
その後の私のテレビアニメとの付き合いは「停滞」の2文字が相応しい。響け! ユーフォニアム1話を見た時に「これは自分の中で極めて特別な作品になるかもしれない」という期待を抱いたものの、2話以降はそのような作品になっていくことはなく、普通の良質なアニメでしかなかった。サクラクエストは繊細なバランスをコントロールしている素晴らしいアニメなのだが私もリアルタイムで追いかけながらその魅力を完全に汲み取ることはできず(終盤になってようやくその底の魅力に気づき始めたと思う)、世間は私以上に無視していた。プリンセス・プリンシパル、ゆるキャン△、放課後さいころ倶楽部らはあくまでも単なる良質なアニメ群という位置づけであって、私の中でのアニメへの「過度な」期待は響け! ユーフォニアム1話以降、未だ得ていない。そういう見方をあまりしなくなったというのも大きい(アニメよりも他に知りたいことが私には沢山ある)。私のテレビアニメとの付き合いはそんなものになっていった。
アニメ映画編
- トイ・ストーリー3(2010)
- モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE 亜空の深淵(2014)
- 思い出のマーニー(2014)
- メアリと魔女の花(2017)
- ズートピア(2016)
- きみの声をとどけたい(2017)
- 劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~(2019)
- HELLO WORLD(2019)
- BLACKFOX(2019)
- サムライエッグ(短編)(2018)
トイ・ストーリー3を劇場で見るため直前になって慌ててトイ・ストーリー1と2を見たのを今でも覚えている。1は面白く、2はまあまあだった。3は本気で泣いた。これと双璧と感じるアニメ映画は今でもズートピアくらいだろう。ディズニー・ピクサー作品は過去作をDVDを借りてきて見ることが多く、それらはこの表には反映されていない。まだまだ見られていない作品が多いのでDVDレンタルを続けていこうと思っている。モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE 亜空の深淵は面白いテレビアニメからその面白さのエッセンスを凝縮した完全新作の映画が作られたという幸せな経験であり、アニメ映画という括りでなかなか評価しにくいのが残念だが本当に素晴らしい作品である。思い出のマーニー、メアリと魔女の花と良作を連発した米林宏昌こそがこれからの日本アニメを引っ張っていくんですよ。ほとんど誰も同意してくれないだろうけれど、私はそう確信している。
きみの声をとどけたい、劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~、HELLO WORLD、BLACKFOX、サムライエッグはそれぞれに良作だと思うのだが、どれもこれも世間での評価は低く話題にならないまま公開期間を終えてしまったし、現在話題にされることは少ない。私と世間とのズレばかり認識し絶望しているのがこの数年のアニメ映画との向き合い方となっている。また、一般にいわゆるアニメオタクという人達は劇場公開アニメに冷たい(プリキュアを除く)ことも最近薄々感じてきたところだ。世間とはそんなものなので、未だ見ぬ突き抜けた傑作がアニメ映画に生まれることを祈りつつ、ダメなアニメ映画はきっちり批判しつつ、良作アニメ映画は私個人の中でひっそりと大切にしていきたい。
振り返ってみても、私はアニメオタクにはなれないということを薄々気づきつつ、他に依存できるものもなく、停滞し、結局は諦めながら確信したのが2010年代だったと言える。私の居る場所はここじゃない。
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