お笑い芸人がワイドショーのコメンテーターをすべきではない理由

リンクは張らないが、EXITの兼近という男がテレビ芸人による容姿イジリについて、それは芸人というプロがやっている物事だから、テレビとかお笑いの世界だから良いのだとして、「危険な行為だから、一般のところで行われるとケガするに決まってる」とコメントした。 このコメント自体は、テレビを通じて一般人に悪影響をもたらしていることを全く考えていないとして当然批判の対象ではあると思うのだが、それ以前に、このEXITの兼近らの行動をそもそもプロの行動として考えてよいのかということが気になった。そこにいる彼らはプロの仕事をしているのだろうか?

EXIT兼近も、一緒になって騒いでいる松本人志もそうなのだが、彼らはお笑い芸人としてのネタの中でいじりを行っているのではない。コントの中でも、漫才の中でもなく、またトークバラエティの中で行っているのでもなく、ワイドショー・情報番組の中でいじりを行っている。彼らはお笑いのプロであるのはそうだろうが、ワイドショーのプロなのだろうか?

お笑いのネタというのは、お笑いだから面白いのであって、現実にあっても面白くはない。現実の問題はツッコミの対象ではなく、解決して世の中を良くしていかなければならないという位置で扱われているものなのだ。もちろんお笑い芸人が自分のネタに現実の問題を取り入れるのなら、そこで笑いにするのは結構だ。面白いにしろつまらないにしろ、それはネタに対する評価だ。ワイドショー・情報番組はネタではない。ワイドショー・情報番組におけるコメントは、イジリではない。

ワイドショー・情報番組におけるお笑い芸人のコメントそのものが害悪だという意見もあるだろうが、百歩譲って、お笑い芸人は庶民的だから?(完全な嘘)親しみやすさがあるから?(誤解)起用されているのだとしよう。そこまでを受け入れたとして、お笑い芸人のそのコメントの姿勢が、テレビの台本に乗っかった、自分達お笑いのプロによる「ネタ」のつもりだったら、これは自分のやるプロの「ネタ」だというつもりなのだとしたら、お笑い芸人はワイドショー・情報番組のコメンテーターをやめるべきだ。なぜなら現実はネタではないから。彼らがそこにプロの仕事などというものを持ち込むのなら有害だ。そんなお笑い芸人はワイドショーのコメンテーターをすべきではない。