アイドルがグループを形成する商業的理由について

昔からアイドルがグループを形成している理由がよくわからなかったのだが、最近わかってきたので解説する。なお以前から抱いているアイドルが多人数で歌唱することにより平坦なつまらない楽曲になる問題は相変わらず解消されていない。それ以外の点についての解説となる。

関係性萌えを利用できる

リコリス・リコイル』等でもそうだが、コンテンツにおける関係性萌えは萌えの主軸を担っている。単体のアイドルには横の関係性が存在せず、それはそれで好む者もいるとは思うが、単純な足し算で考えた時に関係性萌えを使えるのはグループアイドルの強みである。また、創作物中の百合/薔薇については、創作物であるがゆえに完全なコントロールが可能である以上、その見せ方に無限の繊細さが求められる一方、アイドルの百合/薔薇は現実であるがゆえにある程度適当でも消費者が受容してくれる。「雑な百合」でもハァハァしてしまえるのだ。

消費者の時間をグループが独占する

普通、1人のアイドルを追いかけるということをした場合、アイドルは常に消費者の前に立ち続けるわけではなく、様々なアイドル活動のための準備やプライベートな時間などが存在するため、消費者には余剰の時間が生じ得る。一方、これが複数人のアイドルかつ関係性萌えを醸成された状況においては、Aを推している人はAが活動していない時にAと仲の良い(と消費者が感じる)BやCの活動、その他グループの活動を消費するという形になりやすく、グループ内で消費者の時間を食い尽くすことができる。そして、Aが活動する時には自然にAの消費者に帰っていくわけだ。これが個人のアイドルの場合は、当然他のアイドルや他の趣味といった外部対象に時間が費やされることになり、結果、いつの間にかAの推しから離れるという行動につながりかねない。

推し変した際にグループ内での変更となりやすい

Aを好きでいるのに疲れた場合や飽きた場合、グループ内での他のアイドルBやCの推しに移りやすくなり、グループ全体から見た損失を抑えやすい。別に他のグループや他の個人のアイドルに推し変してもいいと思うのだが、上記の理由により普段から接していてすんなり推し変できる対象がいる場合、そちらの方が慣れ親しんだ対象、容易な比較対象となるため移行しやすい、というのは理解できるだろう。

以上の理由によりアイドルグループというものは存在すると思われる。結論としてはアイドルグループというのは汚い商売なのでこういったものとはなるべく距離を置き、人は誠実に綿密に繊細に作られた創作物であるアニメや小説と向き合うべきである。