サントリー新浪剛史の発言は国民皆保険の民営化を提案しているわけではない

新浪剛史が「国民皆保険の民営化を提案した」と言われていて、確かに言いそうなことだなとぼんやり思っていたのだが、 Twitterにその発言の動画が流れてきて、1分もない切り抜きなので気の迷いで再生したら 国民皆保険の民営化なんて言っていなかった。 新浪剛史の擁護なんかしたくないんだが、以下解説。

発言についてはこの記事が取り上げているので引用する。

「働きたい人がいきいきと長く働き続けられるために、健康寿命を伸ばす必要がある。そこでバイオ・ヘルスケアの新しい分野を成長企業として重点投資していただき、病気になってからの対症療法ではなく、元気でいられるための医療に切り替える。そのための医療制度・保険制度に作り変えていく。国民皆保険ではなく、民間がこの分野を担っていったらどうか」

これは明らかに、国民皆保険の民営化ではなく、「バイオ・ヘルスケアの新しい分野」「病気になってからの対症療法ではなく、元気でいられるための医療」の部分を民間に担わせたいとする発言ですよ。いや、もちろんアホなこと言ってんなあとは思いますよ。健康寿命を伸ばすための取り組みって別に今だって行われているしね。例えば定期健康診断とかはまさにそのために行われていて、人間ドッグもそう。これらは今ある病気を治療するものではないので保険適用外です。つまり、別にこの発言は新しい提案をしているわけではないということ。今ある枠組みの中で自分達が儲けたいなあと言っているに過ぎないんです。

以上。新浪剛史が「国民皆保険の民営化を提案した」したとするのは事実誤認だという記事でした。